フィリピンをはじめとする途上国では、畜産業の畜糞はほとんどの場合、ラグーンで嫌気性発酵処理され、発生するバイオガスはそのまま大気に放出されています。
バイオガスの約60%はメタンであるため、回収してエネルギーとして有効活用できます。また、メタンは温暖化ガスであるため、温暖化防止にも役立ちます。
弊社では、フィリピン・パランガイ州において、クライアント様とともに、畜糞を原料とするバイオガス発酵槽とバイオガス発電システムを用いて、電力供給の可能性調査を実施しました。
モンゴルの首都ウランバートル市は、冬季は気温がマイナス30℃にもなる極寒地域のため、シの熱供給システムや各家庭の暖房設備が欠かせません。しかしながら、各設備やストーブの老朽化により、大量の石炭を消費しています。結果として大気汚染が進み、PM10やPM2.5の濃度が非常に高く、循環器系疾患に悩む人々が増加しています。
他方で、モンゴルは遊牧・放牧の民であり、飼育しているウシやウマの糞が相当量堆積している場所があります。そこで、この畜糞を乾燥させ、石炭を代替する燃料として、冬季の暖房需要を賄えないか、調査を始めています。
現在使われている熱供給ボイラ
空がかすむウランバートル市と、救世主となるか乾燥牛糞